働くお母さんが走るブログ

運動経験ゼロの経産婦が静岡マラソン2015で悲願のサブ4を達成(3時間46分1秒)。柴又100を完走してウルトラの母になりました(12時間1分35秒)。走っても痩せないのは仕様です(15年3月10日「働くお母さんがサブ4を目指して走るブログ」を改題)

【その2】第49回青梅マラソン〜5分半おじさんとの出会い、そして別れ編

(スタートまでの記事はこちら→【その1】第49回青梅マラソン~号砲前のお葬式ムード編 - 働くお母さんがサブ4を目指して走るブログ

 

(もうダメだ…)

 
絶望感に打ちひしがれつつ、葬式ムードをまとったまま、11時半、レースがスタートしました。
1万5000人の走る青梅マラソン。心配していたようなスタートダッシュはなく、列はゆるゆると動き出します。
スターターは元体操選手の田中理恵さん。
 
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顔ちっちゃい! かわいい!  田中理恵さんかわいい!
 
でもランナーとしては、やっぱりこの方に興奮してしまいます。
 
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Qちゃん! QちゃんQちゃん!!(とワイナイナ!)
Qちゃーーーん!!
(オリンピアン、しかも金メダリストに「ちゃん」付けも失礼かと思ったのですが、やっぱり高橋尚子さんは親しみを込めてQちゃんと呼ばせて欲しい!)
Qちゃん後でハイタッチしてくれるって!  がんばるね!! Qちゃーん!
 
高橋尚子選手に興奮してウキウキと手を振っていたら、あっという間にスタートライン。ピピピッっと鳴る無数のチップ計測音に気づき、あわててGPSウォッチの計測ボタンを押しました。
 
うわあうわあスタートライン切っちゃった。
もう戻れない、ここから30kmを2時間45分で本当に走れるのか、周り速そうだし引っ張られたらどうしよう、調整、調整、調整レース、抑えて5分半5分半5分半5分半…
 
もうガッチガチ。
ダメだダメだ落ち着こう。顔がこわばっているどころか体も固い。のびのび走ろうと腕を思いっきり引いたら、追い抜きをかけてきた後続ランナーの方に思いっきり肘鉄を食らわせてしまいました。「すみません! 」と余計パニックに!
ぎゃー! 帰りたいー!
 
スタート直後は大混雑です。
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固くなって走っているので、ただ流れに乗って行くだけ。
それでも序盤の混雑でゆっくりスタートですから、心配していたような無理な追い抜きやオーバーペースはありません。
 
緊張したまま走っていたら、こんな横断幕が目に入りました。
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マイペースで走ろう!
良いこと言った!
そう、マイペース、マイペース、5分30秒、青梅マラソンはあくまでフルへのトレーニング、金哲彦コーチの指導による30km走、本番は静岡マラソン…。
(写真中央の国分寺ゆるキャラ「にしこくん」に触れられないくらい、心に余裕がないのです)
 
最初の1kmは6分2秒。
これを15km地点までに5分半ペースに持って行き、そのままゴールまでイーブンペースで走るのが本日の目標です。
 
青梅マラソンは地元の応援の暖かさも大きな魅力のひとつ。
沿道には途切れることのない応援が続いていますが、手を振り返す余裕すらなく、すがるようにGPSウォッチの表示を見ながら走ります。
 
2kmのラップタイムは5分31秒。
このペースで刻んで行けば良かったのです。だって借金は30秒。後半にすぐ巻き返せます。
 
しかし、GPSウォッチの画面に映る「オールペース(スタートからのペース)」に惑わされてしまったのです。5分44秒。2kmで11分34秒だから。
ガッチガッチの私は焦りました。
 
(上げなきゃ…5分30秒まで…)
 
周りのスピードに乗りながら、オールペースを5分37秒まで上げた3kmのラップタイムは5分17秒! まずい、一気に上げすぎた!
 
道が狭く、ランナーの波に乗ると自分を見失う、マンモス大会の恐ろしさを実感することになったのです。
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ずっとこんな感じで詰まっているので流されてしまうのです…。
 
2月とは思えない陽気に汗がじわり。何だか喉も渇いてきました。
混乱して弱り果て、しかし勢いに乗ってそのまま坂道を上っていたちょうど3km地点。
そのおじさまは居たのです。
 
年はおそらく50代、首都圏のランニングクラブの名前が入った青いTシャツを着ています。下半身はランパンに素足。足は全体的に筋肉質で、ふくらはぎも走り込んだ人特有の固く盛り上がった形をしています。
 
これはガチだ。ガチのランナーだ。
 
おじさまはどう見てもガチのランナーなのに、びゅんびゅん追い抜かれても周りのスピードに乗らず、一定のリズムで淡々と走っているのです。
 
もしや…。
3kmからおじさまの後ろにぴったり付いてみました。
4kmのラップタイムは…5分32秒! やっぱり!
このおじさま5分30秒で走ってる。5分半ランナーだ! 5分半おじさんだ! 
 
「レースではランナーの中にペースメーカーを見つけると良い」と聞いたことがあります。
感動のあまり、心の中で囁きましたよね。
 
やっと会えたね(辻仁成)。
 
私のミポリンに3kmで出会えた。あと27kmはこのおじさんについて行けば間違いない、今日のレースはまかせたよ、おじさんよろしく…って、おじさん4km過ぎの下り坂で一気にスピード上げやがった!! 
ちょっ!
 
おじさーーーーーん!
おじさんどこいくのーーーー!!
(「遥かなる山の呼び声」のラストシーン、子役時代の吉岡秀隆くんを思い出していただければ幸いです)
 
私の中の小さい辻仁成は、おじさんを呆然と見送ることしかできませんでした(オーバーペースになるから)
専属ペーサーの夢は、1kmではかなく消えた…。
 
途方にくれつつ、GPSウォッチのオールペースを頼りに走ったら、5kmのラップタイムは5分18秒…速すぎる…。
 
泣きそう。
 
しかしここで、ようやくオールペースが目標の5分30秒台に乗りました。
このまま淡々と走っていれば、2時間45分で完走できる計算。でもペースを無駄に上げ下げした反動が後半にきたらどうしよう…。
 
 市街地を離れて木陰に入ると、気温が下がって走りやすくなりました。
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 漠然とした不安を抱えたまま、ペースを上げないように走っていると、5分半おじさんの姿が再び前方に見えてきました。
 
おじさん、ペース抑えたんだ! さすがおじさん! おじさん、また会えたね!
写真を撮って追尾しようとしたその時、「すいません」と、左側から、爽やかな細身の青年に声をかけられ、ビクッとしました。
何だ。ポケットの手袋は落としてない、ポーチにジェルもある、携帯は手の中。
 
(……落し物じゃないなら、なに?) 
 
黙って見上げると、青年は言いました。
「くろいわさんですか?」
 
………!!!
 
私はこのとき、9割方、しらばっくれるつもりだったのです(クズ)。
 
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6kmまでのスプリットとラップ。
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デコボコです…。
 
【その3に続く】
 
 

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